ご挨拶

代表2名の写真。2名は並んで座っており、両名とも机の上で手を重ね、穏やかに微笑んでいる。左側はオリックス・アセットマネジメント株式会社代表取締役社長の恩田郁也、右側はオリックス不動産投資法人執行役員の三浦洋
オリックス・アセットマネジメント株式会社
代表取締役社長
恩田 郁也
オリックス不動産投資法人
執行役員
三浦 洋

本投資法人は、日本で4番目のリートとして、また総合型リートしては初めて2002年6月に東京証券取引所へ上場いたしました。以来20年以上にわたり安定的に投資主価値、一口あたりの純資産と分配金の成長を実現してまいりました。2023年度は、コロナ禍の影響で落ち込んでいた経済活動の回復などにより、賃貸収益の向上や、戦略的なポートフォリオ入替えを実施し、収益の向上や築年数の改善を行いました。

ESGへの対応は投資主価値の安定的な成長を支える重要な基盤だと認識しています。その取り組みについては2019年より「ESGレポート」としてステークホルダーの皆さまにお伝えしてまいりましたが、今回、レポートの名称を「ESGレポート」から「サステナビリティレポート」に変更いたしました。

現在、国際的には、ISSB(国際サステナビリティ基準審査会(International Sustainability Standards Board))により、サステナビリティ情報開示の国際基準が提示され、日本においても基準化が進められています。

また、2023年には、有価証券報告書などにおいて、「サステナビリティに関する考え方および取組み」の記載欄が新設され、非財務情報の開示が求められることとなりました。

不動産投資法人の開示において、これらがどのように反映されていくのかは未定ではありますが、本投資法人においても、今までESGレポートで開示してきたESG情報と財務情報を統合的に開示・説明していくことが今後求められてくると認識しています。

今回レポートの名称を「ESGレポート」から「サステナビリティレポート」に変更したのも、本投資法人が中長期的な観点で運用資産の着実な成長と安定した収益の確保を目指すこと、すなわちサステナブルな資産運用の状況をご説明するためのレポートとしたい、という思いによるものです。そのため、従前どおりESG/サステナビリティ情報の開示基準であるGRI基準への準拠を基本としつつ、統合報告フレームワークの要素も参照、本投資法人のビジネスモデルと、財務資本と非財務資本をどのように活用し価値創造を行っているか、「価値創造プロセス」にまとめました。

これにより、自らのビジネスモデルや戦略、リスクと機会を評価し、財務的な価値だけでなく、長期的な非財務的価値も統合的に説明することで、ステークホルダーの方々へ事業の全体像を理解してもらうことを目的としています。なお、本投資法人の特徴を示す「運用スタイル」も新たに整理し、分かりやすく伝えるよう改善を行いました。

ESGへの具体的な取り組みですが、最重要課題である気候変動対策に関しては、2050年のネットゼロ実現に向けて、GHG排出量削減目標を設定し、SBTi認定およびSBTi(ニアターム目標)認定を受けました。

また「ネットゼロに向けた移行ロードマップ」を策定、昨年のESGレポートでお示ししましたが、今年は財務計画やエンゲージメントにも言及し、TCFD、CDPに準拠する移行計画として策定いたしました。2050年ネットゼロにむけた中間地点として、2030年にGHG排出量(スコープ1,2,3のOJR管理権限を有する部分)を42%削減することを「OJR2030年目標」として設定しましたが、2023年度は基準年比12.8%の削減することができ、引き続きネットゼロにむけてさまざまな取り組みを進めてまいります。

一方、これらの活動を確実に推進する仕組みとして、本年3月に「エコアクション21」を認証・登録しました。「エコアクション21」は環境省が策定した環境マネジメントシステムで、ISO14001規格を参考とし、PDCAサイクルと呼ばれるパフォーマンスを継続的に改善する手法を基礎として事業者の環境への取り組みを促進する環境経営システムとなっており、ネットゼロに向けPDCAサイクルを回して活動を推進していきます。

ほかにもビジネスを支える基盤としてガバナンス・コンプライアンス・人的資本の強化として研修の実施や本投資法人役員会および本資産運用会社取締役会における実効性評価を実施しました。DE&I(多様性、公平性、包括性)の取り組みとして女性活躍推進やキャリア採用なども推進し、多様な人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できる職場環境を目指しています。

本投資法人ならびに本資産運用会社は、変化を先取りし、持続可能な社会に貢献することが結果的に投資主価値の向上につながると考えています。今後もサスティビリティ推進と情報開示を積極的に行い、ステークホルダーの皆さまとの対話を深めていきたいと考えています。多くのご意見、ご示唆をいただければ幸いです。今後のさらなる社会の要請や環境の変化への対応力を高め、中長期的な投資主価値の向上を目指してまいります。引き続きの皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。

2024年10月10日
オリックス不動産投資法人
執行役員 三浦洋
オリックス・アセットマネジメント株式会社
代表取締役社長 恩田郁也